
企業や団体がウェブサイトを立ち上げるとき、「これで情報発信の基盤ができた」と感じる方も多いと思います。しかし、実際にはウェブサイトは「作って終わり」ではなく、「公開してからどう育てていくか」が本当のスタートです。
公開したからといってすぐに問い合わせが殺到したり、商品やサービスが自然に売れていくといことは、まずありえないと言っていいでしょう(あったとしたらそれはマグレの域を出ません)。現実には、ほとんどのサイトが公開直後はアクセスも少なく、問い合わせ件数も限定的です。そこから少しずつ改善を重ね、読者や見込み顧客にとって価値ある情報を積み重ねていくことで、ようやく成果が見えてきます。
ウェブサイトを育てる3つの段階
ウェブサイトの育成には大きく分けて3つの段階があると考えられます。
第1段階:立ち上げ期
コンテンツが少なく、まずは「質の高い回遊」をつくることに注力する段階です。アクセス数を追うよりも、訪問者に複数の記事を読んでもらい、深く理解してもらう仕組みを整えることが重要になります。
第2段階:アクセス拡大期
コンテンツがある程度蓄積し、検索やSNSからの流入を増やしていく段階です。SEO施策や外部プラットフォームの活用を通じて、新しい読者との接点を広げます。
第3段階:成果創出期
サイトが安定的に読まれるようになったら、いよいよ問い合わせや資料請求、商談化といった具体的な成果につなげていく段階です。導線設計やCTA(Call To Action)、リード獲得施策がカギを握ります。

指標は「段階ごとに見るべきものが違う」
アクセス解析ツール、たとえばGoogle Analytics(GA)は非常に多機能ですが、最初からすべてを追う必要はありません。大切なのは、ウェブサイトの育成段階に応じて、目的に沿った指標だけをピックアップして見ることです。
- 第1段階(立ち上げ期)では「セッションあたりPV」「平均エンゲージメント時間」「直帰率」など、質の高い回遊を測る指標。
- 第2段階(アクセス拡大期)では「オーガニック検索流入数」「リピーター率」。
- 第3段階(成果創出期)では「お問い合わせページ到達数」「コンバージョン数」。
このように段階ごとにKPIを整理すれば、GAの数字に振り回されることなく、目的に沿った育成を進めることができます。
まとめ
ウェブサイトは公開して終わりではなく、育てて初めて成果を生みます。焦ってアクセス数や問い合わせ件数だけを追うのではなく、段階ごとの目的を明確にし、適切な指標で進捗を確認することが大切です。
そして、この「第1段階」で注力すべきなのが“質の高い回遊”です。次回の記事では、そのためにどのような指標をKPIとして設定し、どのようなアクションを取るべきかを具体的にご紹介します。